分子式の決定法
分子式は,組成式の〔 整数倍 〕になるので,何らかの方法で分子量を求め,これが組成式の式量の何倍になるかを計算すれば,分子式を求めることができる。
例題 炭素,水素,酸素からなる化合物4.00mgを完全に燃焼させ,二酸化炭素7.65mgと水4.65mgを得た。この化合物の組成式を求めよ。(H=1.0,C=12,O=16)
Cの質量=CO2の質量×(C/CO2)= 7.65 × 12/44 = 2.086〔mg〕
Hの質量=H2Oの質量×(2H/H2O)= 4.65 × 2/18 = 0.5166〔mg〕
Oの質量=化合物−( C + H )= 4.00−(2.086 +
0.5166)= 1.397〔mg〕
C,H,Oを物質量(個数)の比にすると,
C:H:O=(2.086/12):(0.5166/1.0):(1.397/16)=0.173:0.516:0.0873=1.98:5.91:1.00≒2:6:1
組成式 C2H6O
☆ 水の量と二酸化炭素の量は,それぞれ塩化カルシウム管とソーダ石灰管の増加量で与えられることもある。
例題 ある化合物を分析したところ,炭素78.2%,水素7.3%,酸素14.5%であった。また,別に分子量を求めたところ216であった。この化合物の分子式を求めよ。
%でC,H,Oが与えられている場合は,化合物100gと考える。C=78.2g,H=7.3g,O=14.5g
C:H:O=(78.2/12):(7.3/1.0):(14.5/16)=6.516:7.3:0.9062=7.19:8.05:1.00≒7:8:1
組成式 C7H8O
分子量/組成式量=216/108=2〔倍〕より,分子式 C14H16O2
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