有機化合物の元素分析

有機化合物の分離と精製

〔 ろ過 〕 液体とその液体に溶けない固体を,ろ紙を用いて分離する操作。

〔 蒸留 〕 液体を加熱して発生した蒸気を冷却して,目的の液体を得る操作。

〔 分留 〕 液体の混合物を沸点の差を利用して蒸留し,分ける操作。

〔 再結晶 〕温度による溶解度の差を利用して,分離する操作。

〔 昇華 〕 昇華性のある物質を分離する操作。

〔 抽出 〕 目的物をよく溶かす溶媒を用いて分離する操作。

〔 クロマトグラフィー 〕 ろ紙などの吸着材に対する吸着性の差を利用する。

                                                

【成分元素の検出】

 

【元素分析】

有機化合物の組成式を求める操作を元素分析という。組成式とは,分子を構成している元素の種類と比を表した式で,分子式がC4H10なら組成式は〔 C2H5 〕となる。

 

組成式の決定法

 C,H,Oからなる有機化合物は燃焼すると,化合物中のCはすべて〔 CO2 〕に,Hはすべて〔 H2O 〕になる。そのため,C,H,Oからなる有機化合物を燃焼して,生成した水と二酸化炭素の質量からこの有機化合物の組成式を求めることができる。

 元素分析をする際は下のような装置で試料を燃焼し,生成した〔 H2O 〕は塩化カルシウム管に,〔 CO2 〕はソーダ石灰管に吸収される。そのため,燃焼後の塩化カルシウム管とソーダ石灰管の増加量が水と二酸化炭素の質量になる。

 

分子式の決定法

 分子式は,組成式の〔 整数倍 〕になるので,何らかの方法で分子量を求め,これが組成式の式量の何倍になるかを計算すれば,分子式を求めることができる。

 

例題 炭素,水素,酸素からなる化合物4.00mgを完全に燃焼させ,二酸化炭素7.65mgと水4.65mgを得た。この化合物の組成式を求めよ。(H=1.0,C=12,O=16

 

 Cの質量=CO2の質量×(CCO2)= 7.65 × 1244 2.086mg

Hの質量=H2Oの質量×(2HH2O)= 4.65 × 218 0.5166mg

 Oの質量=化合物−( C H )= 4.00−(2.086 0.5166)= 1.397mg

 CHOを物質量(個数)の比にすると,

 CHO=(2.08612):(0.51661.0):(1.39716)=0.1730.5160.08731.985.911.00261

 組成式 C2H6O

 

☆ 水の量と二酸化炭素の量は,それぞれ塩化カルシウム管とソーダ石灰管の増加量で与えられることもある。

 

例題 ある化合物を分析したところ,炭素78.2,水素7.3,酸素14.5%であった。また,別に分子量を求めたところ216であった。この化合物の分子式を求めよ。

 

 %でCHOが与えられている場合は,化合物100gと考える。C78.2gH7.3gO14.5g

  CHO=(78.212):(7.31.0):(14.516)=6.5167.30.90627.198.051.00781

  組成式 C7H8O

分子量/組成式量=2161082〔倍〕より,分子式 C14H16O2